ヤミ金業者を大きく揺るがした「グレーゾーン金利の撤廃」とは?

2000年代の闇金融

90年代前半にバブルが崩壊して小規模業者が相次いで苦戦する中、ゴールデンタイムでテレビCMが放送されるようになってからは、大手消費者金融が広告を出すシーンが増えていきます。
これまでも怖いイメージがあった消費者金融ですが、犬や芸能人を起用するテレビCMの影響で消費者金融のイメージは変わって全盛期を迎えていきます。

 

バブル崩壊とともに、小規模業者は闇金へ変化する一方で大手は資金力を活かした広告活動によって利用者を増やしていき、成長する大手普通の運営では成立しなくなる小規模業者の二極化が進んでいきます。
大手消費者金融が全盛期を迎える一方で、競争が激化をして違法な取り立てを行う大手も現れて社会問題になっていきます。
さらにそれまで消費者金融では当たり前だった出資法の上限金利が認められなくなって金融業界は大きな転機を迎えます。

 

 

2000年代前半までは大手も違法な取り立てをしていた

違法取り立てを行う業者

自宅に取り立てにいって違法な迷惑行為をすることは2000年代前半までは当たり前のことで、有名なのは武富士の違法取立て行為です。
武富士は当時、消費者金融の最大手に位置していましたが、違法な取立によって行政処分を受けて評判を大きく落とします。
大手が迷惑行為をするくらいなので、闇金はさらに過激な取立て行為をしていました。

 

時代を振り返れば、武富士も取立てルールを守らない闇金に分類される存在でもあり、2000年代前半までは届出をして好立地に看板を出して運営する闇金業者は多数ありました。
闇金をテーマにした有名なマンガの「闇金ウシジマくん」も2000年代前半から中盤の時代をモデルにしています。

 

 

グレーゾーン金利の撤廃と行政処分の増加で変わった闇金の形態

貸金業者に大きな衝撃を与えたのは2006年1月13日の最高裁判決(通称「シティズ判決」)によるグレーゾーン金利の撤廃です。
グレーゾーン金利とは利息制限法(100万円以下18%)を超えて、出資法の上限金利(29.2%)以内の金利のことです。

 

これまで個人を相手にする消費者金融も出資法の金利で貸付を行っていたのですが、シティ判決によって個人相手に利息制限法を超える貸付をするのは違法と認定されて、過去に遡って不法な金利の返還を認める判決を出しました。
シティ判決を期に過払い金請求が一大ブームになり、消費者金融は軒並み、過払い金返還と利息の引き下げによって財政面が悪化します。

 

さらに武富士の裁判から始まった違法な取立て行為についても大手を中心に行政処分を受けるケースが相次ぎます。
結果的に武富士は破綻。大手消費者金融や街金融は統合をしたり、メガバンクの傘下に入るのなど業界は大きく変革を遂げます。

 

2000年代後半には、闇金は行政処分を恐れて、相次いで看板を下げて裏の社会で運営を続けるようになります。
無届業者も増加して、違法な取立て行為をする機会が減った一方で闇金の手口は巧妙化していきます。
金融業界が大きな打撃を受けるなかで、90年代のCM攻勢による消費者金融ブームで借金依存になっている人は多く、大手消費者金融の金利引き下げによって厳しくなった審査の影響で闇金を利用する人は増加していきます。

 

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